ブルドッキングヘッドロック Extra number『コンストラクション ダイアグラム・オーバー ザ ディメンション』 ~108の、建設と解体を繰り返す未遂の構想について~
カテゴリ: 舞台
 ご無沙汰しております。
 ツイッターには毎日生そ(ry

 今週はいつものブルドッキングヘッドロックの公演になんと! 2回も行って参りました。

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 たいていの公演は1回しか行けなかったのですが、今回はゲネプロ(内覧会)と千秋楽という、謂わば公演の始まりと終わりを見ることが出来たので、とてもラッキーでした。

 といっても、内覧会は体調がすぐれなかったので「その41」しか見られなかったことが悔やまれます。(>_<)

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 ブル公演の祝い花はファフナー音響監督の三間さんからのものがたいてい飾られてるのですが、今公演はエクストラナンバー(番外)のせいか見当たりませんでした。残念。

 今回の公演『コンストラクション ダイアグラム・オーバー むにゃむにゃ略して「コンスト」ですが、ブルドッキングヘッドロックの劇団員が20代30代40代の三世代に分かれてアイデアを出し脚本から舞台を作り上げるという、画期的な試みでした。

 演劇界に小劇団多しといえども、このような取り組みを行った劇団はそうそうないのではないでしょうか。
 まあ、ブルは「大きな小劇団」という、奇妙な表現が似合う劇団のようですが。(^^;)

 コンストの実験的な試みが、今後のブルをより幅広く豊かな劇団に育ててくれるかと思います。

 というわけで演目は3つでした。
 その25「雪ロード埋没」、その38「遮光夫人」、その41「やさしい男」の3本立て。

 どれもその世代ならではの味があるストーリーとなっておりましたが、ここではその41「やさしい男」について感想など。
 なぜなら私も40代なので。(笑)


 「やさしい男」

 タイトルが漢字ではなかったのは、「優しい」だけでなく「易しい」のかな、とも考えてみたり。(^^;)
 べつに登場する男性陣が単純だという意味では無くて、もし彼らに「優しい」という表現以外を当てるならやはり「易しい」かな~などと思いました。隠し事はしていても、基本的に裏表が無い人たちでしたので。
 
 何と言ってもこの舞台の主役はペロちゃん!!!

 ではないんですけどね。(笑) 可愛さでは完全に主役でしたが。

 ストーリーは40歳すぎても実家暮らしで父親とうまくいっていない品沢くんが、仕事で訪れた山の中で拾った子犬のペロちゃんを飼おうとして反対され、元同級生の大滝くんと桜木さんに預けようとしたことから始まり、ペロちゃんとこの子に関わる男たちみんなの秘密が暴かれていく……というちょっとしたミステリー仕立ての内容でした。

 品沢くん役は篠原さんことバイシさんで、大柄なくせにワンコっぽい人(失礼!)が子犬を拾って右往左往するシチュエーションに、もうキュンキュン(笑)してしまいました。

 大滝さんを演じるのは客演の山崎さん。私はたぶん初めて演技を拝見した(はず)のですが、篠原さんと永井さんの元同級生という話が本当に思えるほどの馴染みっぷりを披露。妻に既読スルーをキメられる情けない夫でしたが、未読よりはマシだったんじゃないかと思います。(^^;)

 そして永井さんことさちんさんはもう何も言う必要は無いのではないかと。(苦笑)

 動物を通じて関わる人々の秘密を暴く、しかもただ暴くだけで問題は特に解決できないというハタ迷惑な「動物探偵」という称号をもらった(というか勝手につけられた 笑)地域FM番組投稿趣味の元ペットショップ勤務女性。
 1件のエピソードにつき説明に2時間はかかる(笑)というので、今回はその名探偵ぶりを垣間見るに留まりましたが、良いキャラクターでした。
 
 そんな彼ら3人がペロちゃんを山へ返しに行って道に迷い出会うのが、ロッジの経営者熊木さんと彼の後輩である栃谷さん。

 熊木さんを演じるのは動物電気の森戸さんという方でしたが、熊木さんがまた濃ゆ~いキャラで。(^^;)
 作中でも「ナウシカおじさん」だの「ムツゴロウさん」だのと言われていましたが、ちょっと過剰な暑苦しさと孤独な山男にありそうな頑固さをその笑顔でマイルドに仕立てて演じておりました。良い人です。

 後輩の栃谷さんを喜安さんが演じましたが、東京に住む動物バイヤーということで、高級外車に乗りスーツを着てるけど足元はスニーカーという出で立ち。(笑)
 ペロちゃんの秘密を隠しつつ回収しようと立ち回るけど結局はバレてしまい、そのうえ彼自身もじつは先輩の熊木に隠し事をされていたりするんですが、先輩を立てたり品沢くんにもあることないこと助言したりする、やっぱり良い人でした。(^^;)


 かくかくしかじかあって(省略)結局ペロちゃんは、飼育されていたハイブリッド・ウルフの血統書無しの子供たちとは別の子だと言うことがラストに明かされ、栃谷さんの呟く「ロマンだ……!」というセリフと共に、その愛らしい姿を見せつつ幕を引きます。

 もともと私も動物それもオオカミが大好きで、かつては「狼の紋章」を愛読していた世代(旧いですよ……)ということで、この「やさしい男」のガジェットとしてオオカミ犬が設定されたのはとても楽しかったです。

 舞台の秩父市は知る人ぞ知る?オオカミの聖地で、三峰神社の狛犬は狛狼で「大神」とも言われる神の使いでもあることもきっちり説明してくれました。

 ハイブリッド・ウルフの存在や狼の自然界への再導入、加えて産業廃棄物の不法投棄など、なかなか簡単に答えの出ない問題も織り込んで、しかし重くなることもなくうまく挿話として収めていたりします。

 そういえば何年も前に、大分あたりの山の中で撮影された個体が日本オオカミではないかと話題になりましたね。
 あれも日本オオカミにしては西洋オオカミに似ているだの、オオカミ犬ではないかと議論になりました。

 おっと今検索したら2000年でした。何年か前どころでは無いですね。(汗)


 話を元に戻して。動物を芝居に入れてきたのは、喜安さん曰く「篠原さんと永井さんが動物好き」だからとのことでしたが、世間は「けものフレンズ」で動物ブームらしいですしある意味でタイムリーだったかなと思います。(^_^)
 
 あ、そうだ。ペロちゃんは茶色い子犬のヌイグルミで鳴いて尻尾振りつつ前に進む子です。(笑)
 喜安さんによると、売り物そのままではなく若干調整していたそうですが。 

 今回は永井さんと篠原さんも脚本に関わったためか、いつもより二人のセリフが流暢な印象を受けました。いつも以上に体から言葉が出ている、というか何というか……。

 また、ゲネプロの内覧会と千秋楽の比較では、内覧会では観客を前にして通しをするという、まさにその「初めて」の新鮮さが演技にあったのに対し、千秋楽では元同級生の3人や熊木さんと栃谷さんの先輩後輩の間になじんだ空気が生まれ、「慣れた」間柄の演技が見られた気がしました。どちらも味があって良いですね。

 コンスト3作はDVDにもならないので、ペロちゃんは文字通り幻の存在となり夢とロマンの象徴として、いつまでも見た人の心の中で生きていくことでしょう。(^^)


 総括的な感想としては、脚本を建設して解体を繰り返していた各チームでしたが、終わってみれば作品の内容そのものもどこか共通していて、狭い空間内でのキャラクターたちの「起承転結」というより、その関係性の「建設と解体」なストーリーになっていたような気がします。

 なので、ラストシーンで「解体」されたストーリーの先にまた新たな「建設」があるんだろうな、彼らにはこの先も人生の続きがあるんだろうな、という余韻のある終わり方でした。
 
 コンストにご興味が出た方は、ぜひブルドッキングヘッドロックの公式サイト「現場」を覗いて見て下さいませ。

 
 次回の公演はいつも通り(笑)の現時点「タイトル未定」で9月22日からとのこと。秋も楽しみです。(^_^)



 そして千秋楽にも関わらず、空気読まずにいつものように喜安さんにファフナーに関してお訊ねしたのですが、そちらは追記に。



 そういえばこの追記って、スマホで見ると追記になってないんですね。

 この前初めて知りました。(苦笑)






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2017.04.23 / コメント: 0 / トラックバック: 0 / PageTop↑
ブルドッキングヘッドロック Vol28 『バカシティ』
カテゴリ: 舞台
 こちらではだいぶご無沙汰しております。m(_ _)m

 毎日ツイッターには生息しております。ツイ廃なもので。(笑)

 さてさて、春に続き劇団ブルドッキングヘッドロックの最新作「バカシティ」あかつき編たそがれ編を観劇して参りました。
 というわけで、いつものようにつらつら感想などを述べてみようかと思います。

 
 今回の公演にあたり、ブルでは前座イベントなど開催されたりPVを作られたり。
 はたまた開演翌日には内覧会などを催されたりと、いつにもまして実験的な広報体制を取られていました。

 ずっと前にアンケートで「体感するブル」のようなものはいかがでしょう?と書いたりしてたので、もしかして意見を取り入れてくれたのかな~、などと思ってみたりしました。(^^;)

 だというのに、前座にも内覧会にも行けませんでしたけどね!(←おい)
 千葉の片田舎なものですみません……。(T_T)


 というわけで、いつも通り事前情報を全然入れずに見に行ったので第一印象は……「1995」に似てる?でした。
 ストーリーではなく「SFの使い方が」という意味で、です。念のため。

 まず最初は、喜安さんの脚本にしては珍しく、両編とも役名が役者さんの名前とほぼ一緒という形式に驚きました。
 その意図は……うーん、なんでしょうね?(笑)

 導入は、<あかつき編>は主演のはしさん、<たそがれ編>は岡山さんが、ほぼ同じ内容の注意事項を語りつつそのまま劇に突入していくと言う変わった趣向。これも珍しくかつ観客を物語世界にそのまま引き込んでいくやり方で面白かったです。
 
 そして<あかつき編>は……まあシンプルに言えば「はし深澤百年戦争」物語ですよね。(苦笑)

 途中で未来人が出て来るなーという予感はしましたが、果たしてタイムストップをやらかしてくれて、なおかつ未来人が何人も。

 それは<あかつき編>でさらにエスカレートし、岡山さん以外全員未来人が出てくるという、行きつくとこまで行った感。(^^;)

 中盤までは話としての整合性を取ろう(笑)と頑張って見てましたが、しまいにはタイムパラドックスどころの騒ぎじゃなくなったので、もはや諦め、ただただバカをやってる彼らの人間模様に笑ったりちょっと考えさせられたりしながらラストを見届けました。

 <あかつき編>の見所は、やはり主演のはしさんの軽量感と、対照的な深澤さんの重量感に尽きますね。(苦笑)
 いまだかつてこれほど深澤さんの魅力を最大限に活かした舞台はあったでしょうか。(いやない)

 永井さんの人形劇落語もすっごく可愛いので、こちらも一見の価値ありです。

 <たそがれ編>はそうですねえ……岡山さんの汗だくの顔でしょうか。(笑)
 しかもそれが劇中(ある意味)最大の仕掛けになっているという……。

 落語は詳しくなかったのですが、まあ作中のストーリーラインに組み込まれていたのでさほど構える必要もなかったかと思います。現代でも通じるありがちな噺をモチーフにしてますし、というか古典落語自体が現代でも十分通用する普遍性があるってことなんでしょうね。


 今回の舞台を見て、私もようやく喜安さんと言う人は「どこか冷めた部分のある、ちょっとシニカルな人」だという固定観念を捨てられたような気がします。(笑)

 何しろ最初に見た彼の舞台が「毒と微笑み」だったので、あのような作風が喜安さんの特性なんだと勝手に思い込んでいたのです。(^^;)

 喜安さんはまごうかたなき「おかしみ」の人であり、その「おかしみ」を生み出すのはやはり、彼の他者に対する優しさや温かさが根底にあるんだろうな、と感じました。

 ずいぶん話が大きくなってしまいました。(笑) というか、舞台の感想からはずれまくってますね。


 「バカシティ」は20日まで、駒場東大前アゴラ劇場にて上演中ですので、機会があればぜひご覧になってはいかがでしょうか。

 できれば<あかつき編><たそがれ編>の順番で見た方が、より楽しめる内容かと思います。

 まあ、いきなり<たそがれ編>でタイムストップ・フルスロットル!するのも悪くありませんが。(笑)
 
 とにかく、「頭が混乱しながらも笑えてちょっぴり哀愁も」という、イイ感じな演劇に酔えますので。(^_^)
 

 さて、春の「スケベの話 大人のおもちゃ編」では舞台に感激してファフナーについて訊こうと思ってたことをすっかり忘れていたアンポンタンな私でしたが、今回はバッチリお訊ねしました!


 そちらは以下に。





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2016.11.15 / コメント: 0 / トラックバック: 0 / PageTop↑
ブルドッキングヘッドロック 『スケベの話 オトナのおもちゃ編』
カテゴリ: 舞台
 先ごろ、皆城総士役を務める喜安さんの主催劇団、ブルドッキングヘッドロックの公演に行って参りました。

 「スケベの話」はこれ以前に3作品あり、今となってはなんとなくシリーズ化している模様。(笑)

 すでにかなり記憶が薄れてしまったので、全般的な感想を少しだけ備忘録代わりに書いておきます。


 今回はタイトルが「オトナのおもちゃ」という刺激的(?)なものだったためか、いつものブル公演にしては客入りが少なかったようで残念です。

 まあ実際、舞台に実物の大人の玩具が出てきたので、花も恥じらう乙女には見に行きにくいものだったかもしれませんね。(^^;
 
 とうに乙女時代を過ぎた私にはノープロブレムでしたが。


 「スケベの話」シリーズは全作品観劇していますが、今回は今までよりさらにアダルトだった、という印象です。

 ブツ(笑)が使われてるからとかそういう部分ではなく、キャラクターのセリフ回しや人間性とその関係、ストーリーの背景と奥行きといった全体的な評価として。

 今回はストーリーにおいて最も重要な部分はすべて舞台外にあり、見せられなかった核心の説明はなされずに淡々とドラマは進行していき、やがて終わるわけですが、つまり見ているだけでは「え?」「どうしてそうなったの?」「本当にそうなの?」というたくさんの疑問を抱かずにはいられない構成になっていました。

 いま喜安さんは「曖昧」に興味があるとのことで今回の作劇となったわけですが、やはりEXODUSで喜安さん演じる皆城総士を見てきた者としては、ファフナーに共通するテーマを感じとらずにはいられませんでした。

 ファフナーが曖昧か?と問われれば、めちゃくちゃ曖昧ですよね。特にEXODUSは。(笑)
 細かな設定は出さず、かといって作中描写もされず、そのまま事象が突き進んだ果ての結末でしたし。

 1つの答えや正解を提示するより、あらゆる可能性や意見を否定せず許容する、そんな「曖昧」な作品が多くなっているように見受けられますが、EXODUS終了後の一部ファン層のブーイングを見る限り、シンプルで分かりやすい正解を求める層もかなりの割合を占めてるように感じられました。

 ストーリーの受け手としてどちらのスタンスに是非もないわけで、そこはもう個人の好き好きでしかありませんが。

 私も一つの正解よりはいくつかの答えがある方が好みですが、曖昧にしても限度がある(笑)ので、自分で答えを探すための手掛かりをある程度は示してほしいなと思います。


 私が見に行った回は笑うべき場面では笑い、見入る場面は見入る、ブルで観劇するいつものリアクションを取る客層でしたが、日によっては全く笑いが起きなかったり、最後までこの作品が示していたのは何だったのか分からなくて戸惑っている、という雰囲気の上演回もあったそうです。

 同一作品を見ているにも関わらずこの極端な反応の落差が、まさに「曖昧」さが秘めている様々な可能性を示していたのかもしれませんね。

 観劇後、脚本は練りに練られてるし俳優さんたちの演技も自然で素晴らしく、今作品でブルドッキングヘッドロックという劇団が一皮剥けた!!と何だか妙に一人で感激(笑)してしまったのでしたが、それだけに今回の公演で満席札止めがほぼ無かったことが返す返すも残念でしたし不思議でした。

 4月中旬に週末を2回も組み込んで、公演期間としては大変条件が良かったと思うんですけどね~?
  
 次回公演は11月の「バカシティ」という新作で、こちらもかなりの長期公演となっているので、きっとそれまでに喜安さんもいろいろと方策を練られることと思いますが……。

 その前に、5月21日から脚本を担当された「ディストラクション・ベイビーズ」の公開がありますね。
 そちらも今から楽しみです♪


 今回は舞台に感動したあまり、ファフナーについてお訊ねすることをすっかり忘れてしまいました。(笑)

 しかし、サインを頂く時に10巻リーフレットの総士と操のジャケットをご覧になって「これなんですか?」と仰ってたんですけど、まさかキングレコードは主要声優にサンプルを差し上げてないなんてことは……無いですよね?

 きっとお忙しくて開封してなかったんですよね。そういうことにしておきます。


2016.04.30 / コメント: 0 / トラックバック: 0 / PageTop↑
ブルドッキングヘッドロック 結成15周年記念公演 vol.26 『1995』
カテゴリ: 舞台
 今回は、またまたファフナー関連の演劇について。

 皆城総士役の喜安さんが主宰する、ブルドッキングヘッドロックの公演『1995』を観劇して参りました。

 去年は連続しての公演だったので、その後まさか1年近くも期間が空くとは思いもしませんでしたが、その間に劇団員の方の退団あり主宰交替あり、劇団以外のドラマや映画の脚本にも携われて、喜安さんも本当にお忙しかったんでしょうね……。(>_<)

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 劇場は「ザ・スズナリ」、土曜日のマチネは満員御礼でした。

 いつもながら音響監督の三間さんからお祝いのお花が。毎回きちんとされてますね~。

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 しかし今回は、探してもキングレコードもスターチャイルドも見当たりませんでした。
 う~ん、来てなかったのかな? 

 先行予約でしっかり椅子席を確保する作戦が功を奏し、座りっぱなしの腰はなんとか保ちましたが、開演前30分のBGM(1995年ヒット曲のセレクト)も含めて劇の演出になっているので、そこも含めると何と3時間近くに。(汗)

 私が場内に入った時には、ストリートファイターⅡMOVIE挿入歌「恋しさと せつなさと 心強さと」が流れ、続けて魔法騎士レイアース第一章OP「ゆずれない願い」が。
 特にストリートファイターの方は、ちょうど先日までモンストでコラボをやっていたので、妙にタイムリーでした。(笑)
 
 観劇後には、これらの曲の歌詞の一部が意外と作品とリンクしていた気がするので、ただ単純に当時のヒット曲を選んだわけではないんだろうな~と感じました。

 舞台の方は、1995年と2015年の男女のドラマが同じセットでごく自然に入れ替わり転換を繰り返しつつ、やがてとある出来事をきっかけに主人公の女性は2095年にまで到達し、その世界では女神と崇められる彼女の子孫の女の子が絵に描いた通りの街が造られようとしていた……。 

 前情報はほとんど入れなかったのですが、1995年と2015年が交互に出てくる、というような話はちょっと目にしたので、テンポよく転換する舞台上の2つの時代を、頭を切り替えながら話を追っていました。

 しかし終盤の、タイムストップで2つの時間が干渉し、押し流し、からの怒涛の展開では自分の頭の中の時間もどんどん未来に進んでいく感覚がして、ついていくのが大変でした。(笑)

 結局、愛子が「私の子孫が女神に」なり「愛されてる!」ことになった100年後の未来ですら不満?だったのは、最初の嘘というか隠し事(年齢詐称)を最後まで突き通したからなんでしょうかね?

 できればもう1回見て、自分の中で咀嚼したかったです。

 しかし、まさか喜安さんの作品の中で「未来人」やら「タイムストップ」やらが出てくるとは思いもしなかったので、その面で今回は不意打ちを食らった気分でした。(苦笑)

 7月にテレビでアニメ版「時をかける少女」を放映してましたし、6月には「ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース」でDIOや承太郎がタイムストップしていたりして、「私もタイムストップ能力が欲しい」と呟いていたこともあり、またまた個人的にタイムリーなネタが来たー!(笑)と思いながら見ていました。

 まあ、劇中の「時をかける少女」のモデルは大林版なんですけどね。

 当然ながら、劇中では1995年の風俗の再現や時事ネタがふんだんに出てきたりしますが、中でもやっぱり「しょうこうが爆心地!?」というセリフは結構キテるセリフだったと思います。(^^;)
 途中まで観客も笑ってたけど、「ネオしょうこう」の辺りでは、場内に「ここまで言わせちゃっていいの?」的空気が一瞬漂った気がします……しただけかもしれませんが。

 というか、若い観客は「しょうこう」と聞いてすぐに「麻原彰晃」と分かったのか心配でした。(苦笑)
 
 2015年の時事ネタも東京オリンピック決定後を中心に、去年の一時期にHOTな話題(笑)となった「AKIRA」の予言(2020年東京オリンピック開催)から、今の政治や社会の風刺的なセリフもちらほらと。
 まあ、このあたりは喜安さんのツイッターを見てれば何となく分かりますけど、風刺としてはかなり薄味なのでたぶん気づかない人の方が多そうですね……。

 ツイッターで感想を検索していたら、「マイルドになった」と呟いてる方を見かけましたが、なるほど上手い表現だと思いました。
 私は最初に見たブルが「毒と微笑み」だったので、余計にエッジの効いた喜安さんの風刺のイメージが強すぎるのかもしれませんが。
 
 
 と、ここまで書いて、ようやく「『1995』ネタバレ飲み会」(なんと、上演期間中に劇団員みずからネタバレ!笑)を見たのですが、喜安さん曰くたとえどの時間であろうと、絶対の主軸は「愛子さんは寂しい」ということらしいです。

 なるほど……孤独に寂しさを感じるのも、誰かに愛されて安心したいのも、普遍的な人間らしい感情ですからね。
 でも人の孤独は、愛されたからと言って必ずしも埋まるとは限りませんしね……。

 そもそも、愛子は「愛されたい子」でしたが、「愛したい子」ではありませんでしたね。
 もちろん、夫も娘も愛してはいたんでしょうけど。

 一般的に女性は愛に「受動的」というイメージなのでおかしくはありませんけど、ちょっと気になりました。
 そのためにアイドルになる、という行動は能動的ですがね。(笑)

 それと、人はやはり愛には愛を等価で返してほしいんでしょうかね?
 いやまあ、当然と言えば当然の願望ですが。(^^;)
 でも「相手と同じだけの愛を返す」、というのは至難の業ですよね。

 美樹男が愛子をもっと顧みてれば、寂しさを抱かずにすんだのかな……とも考えてみましたが、それでもやっぱり寂しさは消せなかっただろうと思います。

 演じる永井さんは「愛が足りない」という曲を聴いて奮い立てていたようですが、その「足りない」のは、「愛されること」と同時に「愛すこと」が足りなかったんじゃないかとも思う私でした。


 今回も、やはり「演劇は生で見る」との醍醐味に溢れた舞台に仕上がっていました。

 客演は劇団鹿殺しの山岸門人さん、親族代表の嶋村さん、そして現在公開中の映画「ツリメラ」出演の岡田あがささん。
 ブルの客演はいつも外れ無しの起用ですが、特に岡田あがささんが凄かったです! ただでさえ洋風な整った顔立ちのところへもってパワフルな演技をするものですから、その迫力たるや段違いです。(笑)

 山岸さんも未来人にして愛子を愛する男その1、門脇を演じておられますが、途中までは未来人だとおくびにも出さない現代のごく普通の、いやちょっと偏執的な愛を捧げる微妙に「気持ち悪い」(笑)男を熱演しておられました。

 嶋村さんの松下は、見かけはチャラいファッションだし社会の底辺層(失礼)ですが、イケメンでしたね。(苦笑)
 篠原さん演じる常田さんより「常田さん」だと誤解されるのも無理からず、そしてどの時代にもそこにいる確かな存在感がありました。 

 あとは、なんと言っても弱冠20歳の相良樹さんが可愛いかったです!!
 まさに「1995」年生まれなんですよね……偶然か狙ったのかは分かりませんが、
 フレッシュな演技に、場内の暑さを一時忘れられました。(苦笑)

 しかし、自分も確かに生きてきたはずの「1995年」を、こうして舞台上で見るとなんだかいたたまれない気分にもなりました。(苦笑)
 当時の「ルーズソックス」「ポケベル」「PHS」を見たり、「援交」だ「チーマー」だという会話を聞くと、もう背中がムズムズしますね。(^^;)

 8月5日の千秋楽はまだ余裕があるそうなので、お時間のある方はぜひとも下北沢ザ・スズナリに足を運んで、ブルドッキングヘッドロックの「今」を体感して頂きたいと思います。

 
 終演後にいつものように喜安さんに突撃かましたのは良かったんですが、さすがに今を時めく(笑)脚本家にして演出家である彼と話をしたい人が他にもたくさん待っていたので、早々に会話を切り上げざるを得ませんでした。orz 

 秋にはブルのイベントがあるようなので、またその時にでも機会があればお話させて頂きたいです。

 しかし! 目的はしっかり果たしましたよ。(^o^)
 
 1

 EXODUSで総士を演じることについて、聞きたいことがたくさんあったんですけど、喜安さんのサインは特にお願いしていないのに必ず総士の名前を添えて入れてくれる、それだけでもういいんじゃないかな……と思い至りました。

 いやでも機会があればやっぱり聞きたいですけどね!(苦笑)
 私は「皆城総士を演じる」喜安さんをもっと知りたいんですよ……。

 
2015.08.04 / コメント: 0 / トラックバック: 0 / PageTop↑
T-PROJECT vol.7「堅壘奪取」「愛をこめてあなたを憎む」
カテゴリ: 舞台
 今日はファフナーで真壁史彦役を演じる田中正彦さんが代表をつとめる、T-PROJECTの第7回公演「堅壘奪取」&「愛をこめてあなたを憎む」の二本立てを観劇して参りました。

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 前回は喜安さんの客演のみでしたが、今回はようやく念願の田中正彦さんの演技を見られるということで大変楽しみにしていたのですが、予想通り、いやそれ以上に素晴らしい演技を見せて頂きました。
 
 和服姿を初めて拝見してとてもお似合いでびっくりしましたが、ツイッターの呟きを見るに本当に正彦さんの初和服姿でのお芝居だったそうで、その意味でも貴重な作品かと思われます。

 昨年のちょうど今頃に胃がんの手術を受けられたとのことでしたので、体力的にもいちだん落ちておられるのではと心配でしたが、それはまったくの杞憂でした。

 声の張りも力強く、立ち居振る舞いもキレがあり、表情も生き生きとして役を演じておられます。

 「堅壘奪取」と「愛をこめてあなたを憎む」はそれぞれ男同士と女同士、喜劇と悲劇、逆説と愛憎など、様々な点で対照的な作品でした。


 「堅壘奪取」は何と言っても宗教家にして評論家という大家と、彼のもとを訪れその人格と思考をぐらぐらに揺さぶる来訪者の青年との、軽快にして摩訶不思議な会話劇の妙に尽きます。

 多くの人はたぶん、こういう人の話を聞かずに自分の世界と規範を作りあげ、それがあたかも宇宙の理であるかのような自信満々に語る奇矯な人間に、人生で一度は出会ったことがあるんじゃないでしょうか。

 こちらが常識的なことを言ってるはずなのに、非常識な答えを正面から突き返されるうちに、そのうちもしかしたら自分が非常識なことを言ってるのかもしれないと錯覚する瞬間は確かにあると思います。

 最後にはもはや人格の崩壊か転落か、はたまた新境地に至ったのか。
 西日の時間から夜まで続いた奇矯な彼と評論家の話し合いは終わり、最後は妻の心配をよそに同じ視点で同じレベルの会話を交わしながら二人は舞台から去っていきます。

 まあ結局のところそうなったのは、評論家の河口が来訪者の森泉を突き放しきれない、根が優しい人だったからなのかなと思います。(苦笑)

 最初は奥の上座の椅子に座っていた評論家が、最後には手前の青年が座っていた下座の椅子に座るという演出は、今思えばもしかして「逆説」を視覚的に見せていたのかもしれませんね。

 それと窓の外の光の移り変わりと蝉の鳴き声の変化で、時間経過を見せる手法も分かりやすくて良かったです。上演時間は50分しかないのに、体感では長い時間見ていた気がしました。

 森泉役の内田岳志さんは、挙動不審な青年(笑)らしく忙しなく動いたり小狡い顔で相手を翻弄したり、誇大妄想のような持論をさも正論であるかのごとく堂々と語る妙な傲慢さまで、コミカルでバラエティに富んだ表情のある演技を巧みにこなしておられました。

 終演後に少し感想をお話させて頂いたら、当たり前ですがごく普通の方でホッとしたりして。(笑)

 
 転じて「愛をこめてあなたを憎む」は、どシリアスな女の泥沼劇。(汗)

 一人の男を愛する二人の女。
 妻の座にいる女と愛人に甘んじていた女、二人の立場が揺らいだ時、悲劇は起きてしまったわけですが……。

 結局クレアが本当にノイローゼだったのかは判然としませんでしたが、それでも彼女が最後にジューリアに拳銃を渡したのは、彼女が本当に自分の友達であるのかどうか、確かめたかったんじゃないかなと思いました。

 ジューリアは結局、クレアの挑発に乗り虚言を真に受けて彼女を撃ってしまいましたけど。

 じつは夫を殺してなかったクレア。ジューリアに銃口を向けられた時に電話して確かめてみろ、と言ってましたし、ジューリアが本当に自分を友達だと思ってるなら、先に電話をして確かめるだろうと賭けていたのかもしれませんね。

 まあ、もしジューリアが本当に先に電話をしたら、その間に彼女を撃ってたという可能性も無きにしもあらずですが。
 でもクレアは自分が死にたがってましたからねえ……。
 自分を殺させてジューリアを破滅させるのが最後の復讐とも思えますけど……ううーん。

 タイトルにあるように二人は憎み合ってたけれど、そんな中でも互いに「愛をこめて」いたような気がします。
 気のせいだったらすみません。(笑)

 殺されてなかった夫の「もしもーし」と言ういっそ呑気としか聞こえない電話口の声と、電話が切れた後の「ツーツーツー」という無機質な音が闇の中に響き渡りつつ終演、という演出は「何も知らない男」と「お先真っ暗な女」という意味でじつに効果的でした。

 クレア役の渋谷はるかさんとジューリア役の安藤瞳さん、どちらも迫真の演技で見応えたっぷりです。   
 
 正直、先に喜劇で後が悲劇という構成はどうかと思いましたが、時間が経ってみればやはりこの順番で正解でしたね。
 こんなに重たい悲劇のあとに喜劇で笑うのは、ちょっと難しいかもしれません。(^^;)


 ファフナーの真壁司令や進撃のピクシス司令とは異なる、田中正彦さん演じる大人の演劇世界に、ご興味のある方はぜひ一度足をお運びになってはいかがでしょうか。
 面白いですよ!
 


 ファフナーのことについては、追記の方で。

 

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2015.06.20 / コメント: 0 / トラックバック: 0 / PageTop↑
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