アニメージュ・オリジナル Vol.7
カテゴリ: 蒼穹のファフナー
 ようやく冲方さんのインタビューが載っているアニメージュ・オリジナルを入手しました。

 読んでみると、新作のテーマとして「還る」という事が、1つの柱になっているようですね。

 このインタビューで「キービジュアルが何で赤いか」という疑問に対し、「新作には原爆とベトナム戦争のイメージを導入しているんです」という答えが示されました。
 赤で「死が充ちていくイメージを描きたかった」とのことでした。
 なるほど。予想していた夕暮れの赤ではなく、もっと凄まじい意味合いを持たせていたのですね。

 そして「原爆とベトナム戦争のイメージを導入」という発言にはむしろ、とうとうはっきり明言したか、という感想を持ちました。

 2006年10月15日に書いた「闘病」という記事では、ファフナー本編に見え隠れする原爆のイメージについて。
 また、2007年2月13日に書いた「滅びゆく世界」という記事では、ベトナムと現実の戦争に対するファフナー制作のスタンスについて。 それぞれ簡単に考察しています。

 「本当にやっていいのかと相当悩んだんですが「今だから、アニメだから、ファフナーだからやってもいいんじゃないか」と、勇気を振り絞りました」

 ファフナーの本編から読み取れる限りの現実の戦争のイメージは、それと分からないように組み込まれていたはずですが、どうやら今回は正面きって「見せる」つもりのようですね。


 本編でのベトナム戦争のイメージについては、作中で一騎が初めて目にした外の世界がベトナムの地であり、枯葉剤でかつて死の世界となったカマウ岬の上空を飛行し、廃墟のベトナム某都市に着地させ、そこで初めて一騎に人間同士で戦わせる事で役割を果たしていたと思います。

 余談ですが、オープニングにもベトナムは出てきています。

 どこかというと、マークゼクスとリンドブルムが飛んだ後、マークエルフがルガーランスを振り抜くシーン。
 そこに絵コンテでは「ベトナム」という指定が書かれています。
 オープニングの絵コンテを切った時点で、既にベトナムを舞台にする意図があったと思われます。
 ただ、それをはっきりと見せなかったのが本編のスタンスだったはずですが……。

 そして原爆については言うまでも無く、劇中の日本が核攻撃で国民や国土ごと消滅させられた事と、竜宮島の人々が「不妊」であったり同化現象によって「脱毛」したり、僚と翔子の「遺伝性の病気」など放射線障害を想起させる設定によって描かれていたものと思われます。
 何よりも、被爆地広島県出身の羽原監督が戦争というものを描くにあたり、原爆を意識していたであろう事は、語られずとも明白であったかと思います。


 「もちろん、絶対にある程度は曲解されるだろうと思うけれど、作品自体が観客全員から誤解されて、歪んで伝わってしまうことはない。僕にはそんな核心があるんですね。そこは信頼して作品を作ろうと思っています」

 ここで冲方さんがおっしゃっているのは、制作スタッフはもちろんのこと、何よりも観客を信頼しているわけですよね。
 曲解されることを恐れずに伝えようとする姿勢に敬意を表すると共に、信頼されるような観客でありたいと改めて思いました。

 

 ……にしても、このアニメージュ・オリジナルは高い!
 以前、似たような雑誌でアニメーションREなる本がありましたが、あれは良心的なお値段でした。そのため3号で廃刊になりましたが。

 でも読み物はなかなか粒揃いです。なかでも「みんなアニメから教わった」という記事が良かったです。
 今ではそのファンは絶滅危惧種に指定されてしかるべき、「ムーの白鯨」というアニメを取り上げております。

 好きでしたね~「ムーの白鯨」。
 古代文明とハイテクノロジーと超能力が渾然一体となった、でもどこか牧歌的なSFアニメでした。
 以前は剣とマドーラが好きでしたが、今では苦手だったプラトスとラ・メールも良いかな、と思えるようになりました。
 DVD-BOX欲しいです……。

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2010.05.05 / コメント: 1 / トラックバック: 0 / PageTop↑
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