蒼穹のファフナーEXODUS 第12話「戦場の子供たち」
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 ファフナーとはじつに「選択と決断」、その結果の「運命を受容する」物語であることがよく分かる回でしたね。

 ただしEXODUSに限っては、ほぼ選択肢が無い状態で今に至っているわけですが。


 【同化現象】

 新型同化現象が「人としての姿、暮らし、心」を奪っていくというのは、戦争で失われていく様々な「人間性」のメタファーなのかもしれませんね。

 そうであるなら、もしこの戦いが終われば少しは……少しは取り戻せるものがあると……信じたいです。
 それまで生き残れればの話ですが。(T_T)

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 こんな状態でも、織姫は芹とまだ魚釣りや海水浴をするつもりなんですね。
 気休めかもしれませんけど、そんなこと言われると、新型同化現象をなんとか食い止められる時が来るんじゃないかと思いたくなるじゃないですか……。

 ところが、

 「戦う限り、変わることは止められない。誰もが祝福を背負うことになる。それでも、命すら守られない人々に比べれば、希望に満ちている」 

 と来るわけですね。

 某掲示板で7話後にパイロットたちは死んでも甦るエインヘリヤル化じゃないかという話も出てましたが、現状ほんとにそれと変わらないどころか、もっと酷いですね。

 人を守るために戦っている当の自分たちが、人から離れていくとはどういう悲劇ですか……。

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 「新たな同化現象は、パイロットの命を守るための部分的同化と肉体の変貌。同化の過程が分かれば、治療は可能です」

 千鶴さんを全力で応援したいと思います。


 【一騎と総士】

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 今の一騎は制止する総士の手を撥ね退けられるほどの関係であるという表現と同時に、絶対的な信頼を前提にしての反発であるということで、そんなに悪いシーンではないと思う……おも……思いたいです。

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 一騎は世界への祝福として「みんなを守る」と、そして「ここの人たちを守るよ、島と同じように。それで平和になるかどうか分からないけど、そうしたいと思うから」と覚悟を決めていました。

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 そのために戦いへ出ようと逸るのは分かりますが、一人ですべてを背負うことなどできないと、1期からHAEを経て実感しているはずなんですけどね……。

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 「みんなを守りたい」から戦わせたくなくて「俺一人(と総士)で戦いたい」と言い続けていた1期からすれば、今回は「俺も出る!」とみんなと一緒に戦おうとしている点では成長してると思います。

 でも実際もし出て行ってたら、またシャイニー☆してみんなの分の戦闘まで請け負って同化現象超特急になってたでしょうけど。

 今回はかろうじて総士の「ここにいる人々を守るためだ」との説得(というかぐうの音も出ない言い回し)で思い留まりましたけど、元々一騎は誰であろうと目の前で襲われてる人を見過ごすことができない性格だと1期でも描写されていました。

 そういう性格になったのは、単に一騎が優しいからとか正義感が強いからだけではないのがまた複雑なんですけど。

 以前の記事(2014年1月5日)で「総士の望みと一騎の意志の不一致や葛藤も見てみたいですね」と書いたことがありましたが、この様子だともしかすると現実にそうなる可能性がワンチャンありそうな雰囲気です。
 
 でも一騎という人間は、本来はCCTSに付けられた名の通り「自由な意思」(VOLUNTAS)の人間ですからね……。
 カノンも真矢も、そしてたぶん総士でさえも、一騎を止められない場面がいつかは出てくるかもしれませんね。
 と言っても、次回で前半終了しちゃうんですが。(笑)

 総士役の喜安さんもツイッターで「一方の主役は、守りたいんだか戦いたいんだか。腹はくくった、と思わせといて滲み出てくる感情に一抹の不安を抱かせるよまったく」と呟いていました。

 戦いだけが居場所だった人間に、誰かを守るためとは言えまた戦うことを許して、結果的に戦いを正当化してしまうのは普通のアニメ作品なら良くない状況だと思うんですよね。
 しかも歪んだ器しか作れない心理状態の人間に……。

 まあファフナーは普通じゃない(笑)し、じゃあ他に何が出来ると言われたら、私も思いつかないんですけどね。(爆)

 HAEで戦い以外の方法である来主操との「対話」をしたことが、今後に生かされてくれないかなあ……と、淡い期待を抱いていますが。 
 エスペラントも「ミールと対話できる能力」を持ってるらしいですが、EXODUSでの「対話」の重要度の低さときたら嘆かわしいばかりです。

 まあ残り話数を考えても戦い以外の道は無いんでしょうし、織姫の言葉を信じれば、戦い続けて人としての姿や心が守られず変化していくことすら背負うべき「祝福」らしいですからね。(白目)

 一騎と総士はSDPとは無縁(というかザインとニヒトはもはや存在そのものがSDP)のようなので、弓子が言ったように「そのうち力そのものに同化される」んでしょうけど、それすらも祝福なんですよね織姫さん?


 ――よくよく考えると、EXODUSでは決して「対話」してないわけではなかったですね。

 「言葉」の対話こそしてませんけど、ずっと「戦い」というボディランゲージで敵と対話し続けている……。(汗)


 【アイ】

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 「それでも希望は消えない。何度奪われても、決して……」 

 前々回の感想で書いた「GONE/ARRIVE」のラスト、

 「きっと希望は続いていく。(中略)たとえ繰り返し見失ったとしても、必ずまたもう一度見つけられると信じている」

 あの長セリフを凝縮したかのようなニュアンスの言葉を、ここで竜宮島の人間ではなく、人類軍のアイに言わせるんだ……と驚きました。

 過酷な外の世界で戦い続けてきただけあり、今は人類軍のほうが精神的にも骨太のようですね。
 竜宮島の面々にも、この先に待ち受けているであろう絶望に負けず、希望があると信じ続けてほしいものです。


 【アルゴス小隊】

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 ダスティンとキースはともかく、残り二名はどう見てもモブですね。(苦笑)

 そのモブが「伝説の機体をこの手でバラせるとはな」と言っても説得力皆無なんですが、「爆撃用マーカー」や「輸送機」まで準備する具体的指示を出した上、交戦規定アルファに従わなければダッカ基地司令を処分する覚悟のダスティンがいるので、噛ませ役で終わるとは思えませんが……。

 派手にCCTSを打ち上げたせいで監視衛星で追跡された……は冗談として、シュリーナガルにいた裏切り者かスパイかは分かりませんが、マークザインが狙われているのは間違いないかと思われます。

 とは言え視聴者はザインと一騎がニコイチ(苦笑)だと知ってるので、機体だけ鹵獲しても無駄だと分かりますが、新国連はそこまでは知らない可能性の方が高いですね。
 パイロットの一騎ごと新国連側に連れて行かれる可能性もあるんでしょうかね?

 EXODUSは1期とあえて同じシチュエーションで違いを見せる方針のようなので、マークエルフ鹵獲と似た状況になってもたぶん1期とは違う結果になりそうですが……。

 まあとにかく、新国連上層部はザインに興味を示しているようなので、もしザインを鹵獲して研究する方向になるなら、予想した第3ザルヴァートルモデルが出てくる可能性が1ポイントくらいは上がるかもしれません。(笑)


 【暉】

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 せっかくマインブレードが初めてまともに「刃を折る→爆発」という、本来の使用方法をされた戦闘でしたが、全然喜べませんでしたね。
 
 おまけに、苦悶するスフィンクスA型に対する射撃は明らかに急所(結晶核)を外していましたし。

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 暉の慟哭は見ていて辛かったです。
 彼は広登のようにまだ全体を俯瞰できないし、自分の感情を客観視できない。
 逆に言えば低い視点と感情移入が暉の個性なんですが、それがこうして暉自身を苦しめてるわけでもあり……。

 でもこればかりは、自分でどうにかするしかないので、今後の暉の動向を見守りたいと思います。
  

 【カノンと咲良】

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 カノンと咲良のパイロット復帰フラグはグングンでしたが、もはや戦力としてほとんど役立たないことを承知の上で彼女らがファフナーに乗る理由が、「自分一人で戦うわけじゃない。私より優秀な仲間がいる」「あの子たちを勇気づけてやらなきゃ。本当にファフナーに乗れなくなる前に」とは、思いもしませんでした。

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 しかもSDPが発現し未知の同化現象に襲われることも覚悟どころか、それを「そうなれば臨床データも増えて、治療法が見つかる可能性も高くなります」と言い切る。(涙)

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 せめてもの救いはカノンも咲良も、死ぬつもりなどなく戦いに赴こうとしてることですね。
 もちろん、「死ぬかもしれない」とは覚悟してると思いますけど。

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 「行くぞ! 機体と自分を信じて戦え!」    
 HAEとEXODUS2話と同じ言葉で、後輩たちの恐れや迷いを断ち切るようなカノンが頼もしいです。

 その後のデスポエムでまた希望を打ち砕くようなことを言われましたけどね。(泣)


 冲方さんの【蒼穹のファフナー四方山話】では、

 「英雄のビジョンが示す自己犠牲、悲壮、運命の克服、死の受容、束縛からの脱出といったものの先にあるのは超越的な万能感です。それは私達1人1人に、本当の人生を生きる、という困難への挑戦を促す物語として語り継がれてきました」

 「自分を束縛する状態から脱却し、困難も非業も受容する力が自分に備わっていると悟ることで、他の誰でもない自分だけの人生を生きるという万能感が訪れる。ビジョンが向かう先は古来変わらず受け取る方々の中で待つ、その人自身の人生の目覚めなのだと思います」

 というツイートがありました。

 カノンと咲良もまた、自ら戦えなかった束縛の状態を脱し、ファフナーに乗ることで始まる困難も降りかかる非業をも受容する覚悟を持つことで、彼女たち自身の、本当の人生を生きることができるんでしょうね。

 「力」における英雄は一騎と総士ですが、こうして自らの人生を選び取るカノンや咲良と彼女たちの母親、竜宮島の人々、そして世界中で戦っている者たちもまた、一人一人が英雄なのだと思います。 
 
 
 【和みポイント】

 萌えてる場合じゃなくなってきたので、今回はほっこり系で。

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 総士がチラ見。

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 真矢がチラ見。

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 一騎がチラ見。(笑)  

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 なんてことはないんですけど、なんか可笑しかったです。 (苦笑)


 【心の距離】

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 総士と溝口さんが今後の竜宮島部隊の居場所を検討するシーン。

 音響監督の三間さんのツイートによると、

 「総士と溝口のシーンも、冲方先生からの2人の距離はそんなに近くない、というアドバイスから距離感(実際の距離では無く、心の距離)を出して貰った」

 だそうです。

 竜宮島部隊の居場所が特に問題なく総士主導の理屈で決まったかのようなシーンですが、そんな何気ない場面ですら会話していた二人の心の距離はそんなに近くない、という冲方さんの思惑……じゃないな、意図?があったようです。

 へ~そうなんだ……って、普通に見ててもそこまで分かりませんよ!(笑)
 

 いつも通り時間が無いので今回もこの辺で。

 あ、そういえばナレインは無から帰還した今の総士と同じじゃなくて、1期総士に近いミール因子部分移植者だったようですね。
 なんだ紛らわしい。(苦笑)

 あと、人の尊厳と誇りでもってフェンリル自爆したことは、あのアザゼル型により強く憎しみを抱かせただけ、という悪循環を招いたり。

 エメリーが何度も美羽に伝える「心に壁を作る」ことは、ヒロイック・エイジではディアネイラ姫が精神防壁を獲得したことで他者(主に男性)と同じ場所に立つことが出来た例もあるし、それほど悪いことではないんじゃないかとか。


 いよいよ今週は13話、1クール目最終回ですね。
 今のところ、あの伏線やこの仕込みも投げっぱなしジャーマンな部分が多々ありますが、とりあえずは最終回を見てから、ということで。

 1クール目では、これ以上の犠牲者は出ないと思いたいです。
 でも、もう犠牲者とは単なる死者のことじゃないような気もします。

 カノンと咲良がSDPを発動したら、たぶん「犠牲」の仲間入りなんでしょうね……。(涙)



  当記事内の画像は全て、
 ©MBS・FAFNER EXODUS PROJECT・XEBEC及び©King Record.Co.,Ltdに帰属します。
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2015.03.30 / コメント: 0 / トラックバック: 0 / PageTop↑
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