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蒼穹のファフナーEXODUS 第26話「竜宮島」
カテゴリ: 蒼穹のファフナー
 私にとってファフナーという作品はもう自然体なのです。

 だから最終回の感想が一週間過ぎようが年を越そうが、もはやナチュラルなのです。(言い訳)





 11年間の集大成にふさわしい最終回でした。
 
 「一騎と総士の物語」として、そして「皆城総士の人生完結」の物語として、これ以上はないであろう未来に辿り着けたことに感謝しています。

 また、ファフナーという「作品」としても、ここで終わってしかるべきトゥルーエンドであったと思います。

 「商品」としてはどうかと思いますけどね。(^^;)


 【キース】

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 この、ジーベンが機体ごとキースを跳ね飛ばすシーンが個人的に大好きです。動きがまた繊細で良い。
 こうすればキースを死なせると理解しつつも、真矢は合理的な即断でこの行動に出たんでしょうね。

 キースは「狡いやつが生き残るのさ」と言ってたように、本当は死にたいわけではなかったので、ジーベンに組み付いてフェンリルを起動した後の笑顔が少し引き攣ってるんですよね。

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 ジーベンに跳ね飛ばされたと分かった時も、一瞬諦めたような表情を見せてから、この不敵な笑み。

 「死神」のはずの真矢が人を殺さないように戦っていたのを見て、なんとしても殺してやりたかったんでしょうね。

 結果として、殺せなかったけど逆に自分を真矢に「殺させた」ことは、キースにとっては勝利であり最高に気分が良かったのではないかと思います。

 
 【ビリー】

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 「兄さんは正しい人だった。アイもミツヒロも……なのに、何が正しいか分からない!」

 12月11日に冲方さんが24話の放送前に呟いたファフナー四方山話、

 「5人の命を助けるために1人を犠牲にするのは正しいのか。(後略)」
 「正義は生命の価値を決められるのか。(後略)」

 これはハーバード大学、マイケル・サンデル教授の「白熱授業」第1回のテーマ「殺人に正義はあるか」という有名な問いなんですよね。
 
 「ダ・ヴィンチ」のインタビューでも冲方さんは「トクベツな三冊」にサンデル教授の「これからの正義の話をしよう」を挙げていました。
 >http://ddnavi.com/feature/96761/a/

 納涼会イベントの打ち合わせ記録によると、2013年がEXODUS執筆のピークだったようなので、この本(または番組)を読み込んでから最終回までの脚本が書き上げられたものと思われます。
 
 EXODUSで今までになく「正義」や「正しさ」が問われているのも、この影響があるんでしょうね。

 EXO26-128_R.jpg

 サンデル教授の教室は1つの答えを決めるものではなくて、EXODUSでも描かれたように「正しさ」は人の意見や主張があればあるだけ存在するわけで。

 どんな屁理屈でも不条理でも良かったのに、ビリーは最後まで自分自身で考える「正しさ」を持つことが出来なかった。
 それが彼の悲劇だったように思えます。

 ちなみに、ここでビリーが殺されなかった場合、撃ったか撃たないか、という議論を見かけましたが。
 私は普通に撃ったと思います。

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 25話で史彦が「君たちに、人を撃てと命じることはない」と言いましたが、

 EXO26-133_R.jpg

 それは親世代の大人が最後にトリガーを引く覚悟を持っていたからなんですね。

 人類軍との対話に成功した史彦と対照的に、真矢を守るためにビリーを撃った溝口。
 1期でも、史彦の汚れ役は溝口が自ら引き受けていました。
 
 大人になるための「通過儀礼」としての人殺しはやめてほしい、と以前書いていたんですが、竜宮島は(全員ではないけど)人を撃ったことがある親たちによって支えられているのは事実でした。
 
 最後は父親代わりの溝口に守られたとはいえ、真矢はもう他の子供たちと同じ立場ではなく人を殺した親の側にいるという意味で、本当の「大人」になったんだなと感じました。

 総士生誕祭で喜安さんが「ゴルゴを守るのはゴルゴ」と言ってましたが、真矢と溝口は疑似親子でありながら師弟であり対等なスナイパーでもあるというじつに多重な関係であり、距離感がとても理想的ですね。

 恋愛や結婚相手にはまったく向いてないと思いますけど。(^^;)


 【真矢】

 人類軍との対ファフナー戦を真矢が一人で受け持ったのはなぜかと考えましたが、やはり本人の希望(誰にも人を撃たせたくない)と史彦の判断による配置だったのかと思います。

 ジーベンは超長距離射撃が可能で容易に接近戦には陥らない、そして人を撃った経験のある真矢なら狙いを外した上で迷わず撃てると信頼されたのかもしれません。

 さすがに史彦も、キースやビリーのような真矢に個人的な怨恨を抱く復讐者が2人同時に自爆戦術を取ってくるとは想定外だったんでしょう。
 それでも真矢は冷静に対応できてましたが。

 総士生誕祭で26話の真矢のアフレコについて、松本さんがビリーが撃たれた時に最初は泣きながら演じた、でも三間監督に「真矢はビリーが撃たれることも受け入れていた」と指導されて、松本さんの想像よりも真矢は成長していたんだ、というお話をされていました。

 でも、受け入れたからと言って平気なわけではないんですよね。

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 「みんなを守ってくれて、ありがとう」

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 大切な人を守るという選択の果てにもっとも過酷な道を歩んできた真矢が、その手を血で汚しても守りたかった相手から感謝の言葉を伝えられてようやく、心からの涙を流せたことがせめてもの救いでした。

 1期終了後のメモリアルブックで「一騎と真矢は生きたくなくても生きなきゃダメだろう」と冲方さんは仰ってましたが、EXODUSでは異なる意味で、さらに苦難の経験を経た上で、これからも真矢は生きなければなりませんね……。
 

 【芹と織姫】

 芹は織姫を守るためにアルタイルに戦いを挑んで傷つき、そのまま島と眠りを共にするという結末を迎えました。

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 5話の感想で「芹と乙姫と広登の関係は、一騎と総士と真矢の関係に近い部分がある」と書いてましたが、乙姫の代わりに織姫が入ったEXODUSの最後に、地平線にあたる広登を失った芹が織姫を選んで長い眠りについたのは、一騎が総士との別れを受け入れたことと対照的でしたね。 

 一騎と総士の最後の時間に地平線である真矢が関わらなかったように、広登がいても芹はたぶん同じ選択をしたと思いますが。

 芹と織姫の結末は、これはこれとして1つの答えなんでしょうね。

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 次に芹が目覚める時、すでに織姫はこの世から去り、岩戸では新たなコアが育くまれているはずです。
 「また会おうね、芹ちゃん」という織姫の約束は、きっとそのコアが岩戸の外に出て人生を始める時に果たされるんでしょうね。
 
 いつか芹も存在と無の地平線に行けたなら、そこで乙姫や織姫と再会できるのだと信じたいです。
 
 
 【楽園喪失】

 25話の感想で、地球滅亡や竜宮島沈没も想定していたけどもう大丈夫だよね、と肩の力を抜いたらこれですよ……。

 島が沈没したからこそ地球滅亡は回避されたのでしょうから、この結末が織姫の言うように「いちばん希望に満ちた未来」だったのかもしれませんね。
 
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 波にすべてが呑まれてゆくその姿は、いつかどこかで見た光景でした。
  
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 「理解しあうための場所」とされた竜宮島が沈んだことは、島が所有していた人とフェストゥムの共存の情報を公開したことで役割を一時的に終えたことと、作中世界での相互理解がいかに困難であるかの象徴であったように思われます。

 対話の手段は限られ、コミュニティは対立したまま、相互理解が大きく進んだわけでもない。
 現実世界を反映しているファフナー世界がこの終わりを迎えたのも、無理からぬことなのかもしれませんね。


 【一騎と総士】

 EXODUSが始まって間もなくの月刊少年シリウスで、中西Pが「自分にとってファフナーは皆城兄妹の物語なんです」と語っていたインタビューを事前に読んでいた方なら、このエンディングが決して投げっぱなしジャーマンというわけではない、と理解して頂けたかと思います。(え? 無理? 苦笑)

 妹の乙姫が既にいないEXODUSでは、残った兄の皆城総士がほぼ毎回キャストのトップに来るのも、物語の中心になったのも、既定路線といえばその通りだったのでした。

 とはいえ、私はあくまで主人公は一騎だと思っておりますが。

 「ファフナーに乗ってみんなと一緒に戦いたい」という総士の願いは、5年半の時を経て海神島でようやく叶いましたね。
 
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 もともと総士はマークアインが乗機となるはずでしたし、美しい外見にそぐわず(笑)接近戦で敵と格闘する前線向きなタイプだったわけで、ニヒトでは長くザインのサポート主体であったものの、結局最後の第四次蒼穹作戦では素手で敵のコアを2回も抉るという快挙達成。(^^;)

 そして、竜宮島の沈没と岩戸へ還る織姫という未来までも、8話の約束通り共に見届けることができました。

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 まさか総士が人として命を終えられるとは思いませんでした。(←最後まで疑ってた人)
 
 本当は、総士は帰ってくるはずのない人だったんですよね。普通の作品なら。

 死んだ人間が生きて帰って来るのは、ファフナーという「嬉しくて悲しいおとぎ話」で、本来あってはならないことでした。

 じつは総士はフェストゥムの世界である「無」にはまだ行っておらず、その入り口である「存在と無の地平線」に留まり「調和」によって肉体を得て戻ってきただけなので正確に言えばセーフなのですが、一度いなくなったことには変わりがないわけで。

 だからこうして二度目の、本当の別れを迎えなければならなかった。

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 一騎と総士が互いに微笑んで別れを受け入れる。

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 最終的には、そのためにこのEXODUSはあったと言っても過言ではないのかもしれません。

 とはいえ、「無と存在の調和」の証として総士はしっかり赤ちゃんを残したんですけどね。(^^;)


 ミールの樹というクリスマスツリーと、アルタイルというベツレヘムの星のもと。
 
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 東方三博士に擬される男たちが立ち会ったのは、救いの御子の誕生。
 公現祭には早すぎますが作中が超スピード展開だったのでそこは気にしない。(苦笑)

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 作中の日付を12月25日にしなかったのは、制作側のなけなしの理性だったのだと好意的に解釈します。(^^;)
 しかしこの最終回がクリスマスの夜に放送されたことを私は決して忘れません。

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 結局最後まで、冲方さんにとって総士は「父」でキリスト像だったんだなあと……。
 だからこうして最終的には「子」になったんでしょうね。見事としか言いようのない帰結です。
 
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 ご子息二人を抱えていた羽原監督と、1期から11年を経て父となり息子を授かった冲方さんの、これが辿り着いた光景だと思うと、その美しい結末に感慨を通り越してもはや言葉はいりません。

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 一騎と総士の道は1つで同じものではなく、「互いの祝福の彼方」という未来へ向かって、隣を一緒に歩んで行く2つの道。

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 エンドカードで、これまでずっと一部が欠けていた「EXODUS」のロゴが繋がり完全な形になっているんですよね。

 それはたぶんこのEXODUS世界が「終わった」わけでも「完結した」わけでも無く、「調和した」という意味だったのかもしれませんね。


 本当に素晴らしい物語を見せて頂きました。

 私としてはこれで終わってくれて全然構わないのですが、多くの人はやはり作品世界の終わらなかった出来事や解決しなかった問題が残ることに燻っているようです。(^^;)

 私がこんなに深い充足感を得ているのは、制作スタッフが作りたかったものと私が見たかったものが偶然ほぼ一致していたからでしょうしね。

 思い残すことがあるとすればニヒトの暴走とレゾンの変形でしたが、今となってはもう些細なことです。
 特にニヒトは「石棺」に入っていた時点で、すでにして暴走は終わっていたんですよね。
 諦めきれなかった私の未練でした……。


 3期があれば今度は一騎が命の使い道を知ってこの世から去るんじゃないかと思います。

 一騎の命はミールによる祝福であり敵に調和を阻害されれば命が消えかねない、と26話で判明しましたし。

 とは言っても、世界の傷をふさいで調和させる祝福を果たさなければならないので、命が消えかけてもすぐにミールが守護するか新たな命を与えてそう簡単にはいなくならないはずですが。


 私としてはもし3期を作らざるをえないなら、百年後くらいに飛んでくれた方がいいなと思います。
 
 現実的には、美羽が成長すればアルタイルと対話出来るはずなので、十年後くらいが妥当かなとも考えていますけど。
 
 まずは続編より、EXODUSのエピソードや設定の補完をお願いしたいところです。


 新作発表から4年半、EXODUS制作に携わったすべてのスタッフに、心から感謝の意を伝えたいと思います。

 心と記憶に残る作品をありがとうございました。



当記事内の画像は全て、
 ©MBS・FAFNER EXODUS PROJECT・XEBEC及び©King Record.Co.,Ltdに帰属します。

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2016.01.02 / コメント: 2 / トラックバック: 0 / PageTop↑
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