総士生誕祭最速先行予約抽選結果発表
カテゴリ: 蒼穹のファフナー
 無事に当選していました。

 意外と落選してる人もいたので、帰宅してメールを見るまではヒヤヒヤものでしたが。(苦笑)

 
 しかし、ツイッターではすっかり総士生誕祭が福山雅治さんのライブの間にねじこまれたかのような話になっていますが、真相は前回の記事の続きに書いた通りなのでなんとも……。(^^;)

 もうちょっと触れてみると、福山さんが先にパシフィコを押さえていたわけですから、29日が休演日なのも当然その時点で決まっていたはずです。

 生誕祭の会場は国立大ホールで福山さんのライブは展示ホールなので、一見無関係に見えますけど、中西Pは「パシフィコ」という会場そのものを指して「埋まってる」と表現したのかと思います。

 そして福山さんのライブと生誕祭の予定を見てもらえれば分かりますが、もし両イベントが同日開催であったなら、OPEN時間がほぼ同時刻に重なります。

 ライブの観客は最大1万8千人。生誕祭は最大5千人。もし一緒であったなら周辺はかなりの大混雑が予想されたことでしょう。

 それを避けられるのが29日であったというわけです。

 まあでも、「割って入った」「ねじこんだ」ことにしておいた方が反響も大きいしネタとして美味しいでしょうから、今頃ツイッターの盛り上がりを見た中西Pは喜んでるんじゃないでしょうかね。(^^;)


 1年前にもう会場と日付を決めてのイベント話が出ていたことについて、喜安さんは「総士生誕祭は自分と石井くん(てゆってた気がする……)が主体になるので、先に話をもってきて都合を確認するのはおかしいことではない」的なことを仰ってました。  

 喜安さんがなぜこんなに会場やイベントについて懇切丁寧に説明してくれたのかというと、以前お話した時に「ブルの次回作上演の劇場は1年以上前にはすでに押さえている」ということを教えてくれたことがあり、私が会場とイベントの決定プロセスについて煩い人間だと認識してるのかもしれません。(苦笑)

 そういえば、私は結局一騎生誕祭にも真矢生誕祭にも行けなかった(というかまあ……行かなかったとも言える)のでよく分かりませんが、真矢生誕祭の時のツイートを検索してたら「松本まりかさんは重大発表が何か知ってそう。収録があったんじゃないかな?」という呟きを見かけたので、「かくかくしかじか」と喜安さんにそのままお伝えしたところ、「ふふっ」と笑われてしまいました。

 彼が言うには「松本も(重大発表の)全体がどんなものかまでは知らないと思いますよ」とのことで、じゃあ個別では何か知ってる可能性もあるのかも、なんてね。(笑)

 ちなみに喜安さんはまだ全然知らないと仰っていたので、私はその言葉を信じています。

 総士生誕祭のチケット発券は12月10日10時から。
 イベントの19日前からの発券は果たして妥当なのでしょうかね。(^^;)

 何はともあれ、とても楽しみです!

 
2016.11.18 / コメント: 0 / トラックバック: 0 / PageTop↑
BD11巻特典CDドラマ 「THE FOLLOWER 2」
カテゴリ: 蒼穹のファフナー
 22話から23話までの間にあった、一騎総士真矢の三人が経ていた選択の物語でしたね。

 フラゲ組がどちらかと言うとローテンションな呟きが多かったので、一体どんなドラマなのかと若干不安でしたが、描かれたテーマやメッセージは本編とほぼ同じで補完程度でしたので、個人的にはそんなに「凄い!」とか「これぞファフナー!」という感動はありませんでした。

 まあ、それは作品と言う大枠で見た場合ですので、とかく本編では少なかった一騎たちの心情描写があったり、キャラクターに個別な思い入れがある方は、真壁紅音や皆城公蔵それに父ミツヒロ・バートランドが現れて息子娘と会話する、というシチュエーションにぐっと来たのではないかと思います。
 
 中身はミールが保持する彼らの存在した情報と記憶をもとに作り上げた人格ですけどね。(^^;)
 完全に再現されたなら、それは本物の親とどう違うのかと問われると、私も答えに窮しますが。

 ツイッターでは優しいみなさんがネタバレを気にして感想すら呟くこともほぼありませんが、私はいつでもネタバレ全開!が信条なので、CDドラマを聴いてること前提でオープンに自前の感想など述べてみようかと思います。


 





 
 このCDドラマをユング心理学的解釈でひと口に語れば「父殺し」、または一騎総士真矢の集合的無意識にあるアニマ像アニムス像を親の姿として意識化し、それとの対話を経てなされた人格の統合(自己実現)、といったところでしょうか。

 まさかこんな真正面から典型的などストライクで、ずっと省略されてきた主要キャラクター三人の心情描写を、夢と無意識の心的イメージを使って描写してくるとは思いもしなかったので、大変に面白かったです。

 特に総士については、これまで自分の規範としていた公蔵(というより竜宮島)の理念を否定することにより、総士が自ら背負いこんでいた父性的役割も同時にほぼ解消されていたことが分かりました。(最後の父性的役割の解消は指揮を剣司に委ねた場面)

 そうすることで彼が「父」から「子」になる準備は整い、かくて冲方さんの言によれば、新主人公に倒されるべき一騎こそが次の父性的役割を果たす人物になるようです。

 とは言っても、一騎と総士では父性的役割の表現はたぶんに異なるものと思われますが。


 総士が「否定」という意志に肯定的な意義を与えたことで、「否定」の名を持ち敵を同化し殺すことしかできなかったマークヒニトもまた、肯定的な側面を見出されたんですね。

 グレートマザーの具現化たる機体であったマークニヒトが、その否定的側面(すべてを吞み込み死に至らしめる)のみから、本来の肯定的側面(命を生み育てる)の性質をも再獲得することで両面が統合されたのだと理解しています。


 それにしても、真矢はともかく総士まで心理的「父殺し」するとは思いませんでしたね~。

 まあ彼が一人の人間として自我を確立するための最後のイニシエーションではありましたが、それをきっちり見せて……いや聞かせてくれるとは。良い意味で驚きました。

 重度ファザコンの冲方さんも、やればできるんじゃないですか。(笑)
 それもこれも、やはり冲方さん自身が父親という立場になったことが大きいんでしょうけどね。

 そもそもHAE初期草案の、総士のクローンの少年を青年一騎が助けるというアイデアも、大人になった今の自分なら、きっと「父」である総士(のコピー)を理解し助けることができるんじゃないかという冲方さんの極度のファザコンのなせるわ(ry


 この「父殺し」についてはユング氏ではなく高弟のノイマン氏が言及しているのですが、その意味するところは母性との分離のみの「母殺し」よりも上というか先というか、父性の象徴する古い文化的な伝統や既存の規範などを壊して新しいものを作り、それを社会に提示し問うこと、とされているようです。

 総士と真矢はそれぞれ父と異なる自分なりの理念や思想を彼らに提示した、その瞬間に二人の心の海の中に進むべき「道」が現れた。

 教科書のように完璧な親離れと精神的自立、そして古い価値観の世界からの脱却イメージでしたね。

 真矢の海は「波が引いて」白い砂で出来た道が現れたようですが、「海が割れた」総士の方はもろに出エジプト記の「葦の海の奇跡」をイメージしているようです。

 エメリーやナレインだけでなく、総士にもモーセ像が仮託されていたというわけで、彼らがみな約束の地に入れなかった(生きて住むことができなかった)ことも、この時点で予見されていたのでした。

 まあ、彼らの命は巡りながら生まれ変わり結局のところ海神島にいますけどね。(苦笑)


 今回一騎だけは母との対話であり、さらにこの後もミールの分身としてのカノンと翔子に出会い選択するわけですが、おそらく一騎にとっての「父殺し」は最終回の総士との別れを受け入れたことだったのかと想像されます。

 一騎の場合は、これから新しい価値観を提示するというよりも、前回の座談会で冲方さんにより賢者的な存在となる行く末が提示されたので、もはや彼自身が海神島の次世代を見守る英雄という名の「殻」――古い価値観の体現者になっているんでしょうね。

 であるがために、いずれ「倒される」と。

 いやー、美しい構図ですね。本当に完璧ですよ!
 「物語」としてはね。(笑)

 消費されるエンタメであるアニメやキャラクターとして、それが面白いと受け取ってもらえるかどうかは私の預かり知らぬところです。

 しかしEXODUSのラストシーンが最初から決まっていてしかも変わらなかったことから、冲方さんは「これしかない」という物語の結末、そこで生きるキャラクターたちの真実に辿り着いたなら、どのようなエンタメ的要求やファンの意見があろうと安易に迎合したりはしないと信じています。

 EXODUS放送中に感想で何度か言ってましたが、一騎はまだ生きなければならない人であったし、総士は逆に人として死ななければならなかった人なので、ラストシーンが一騎と子総士の親子の姿であったことはもう……もう……限界突破で宇宙規模の全面大肯定するしかない、私にとっては究極の理想を絵にして見せてくれた、まさにパーフェクトな場面でした。(←長い)


 総士が否定した島の理念は、自分たちだけの平和を維持するために世界とのコミュニケーションを閉ざし対話を拒否するという姿勢でしたが、それはたぶんテンプレ的に受け取れば日本のいわゆる「一国平和主義」とレッテルを貼られる考え方(実際そうと表現しきれるものではありませんが)であったのかな、と推察されます。

 それに対してEXODUSの中で描かれていたのが、広登と暉の理想である自分たちの知っている平和を世界に伝えたいという「世界平和主義」的な考え方であったと思われます。

 戦争解決としての武力にとどまらず、戦争解決の可能性を守護するための武力として、その行使を自認した三人ではありましたが、第四次蒼穹作戦前のブリーフィングで自分から人類軍を相手にすると言った一騎が史彦に諌められたのは、一騎と同じ意志を選び覚悟を決めていた真矢と総士の反応からして、許容されるべき力の行使を逸脱しかねない個人感情があったからなのかもしれませんね。

 ところで、真矢が読み上げた爆撃機ティーポットの乗組員の名前、そうじゃないかと思ったら、やはりすべてエノラ・ゲイの乗組員の名前を捻っていましたね。

 エノラ・ゲイ乗組員は、

 機長:ポール・ティベッツ
 副操縦士:ロバート・A・ルイス
 航法士:セオドア・ヴァン・カーク
 後尾機銃主撮影係:ジョージ・R・キャロン

 ティーポット乗組員は、

 機長:ハリソン・ティベット
 操縦士:ベクター・ルイス
 航法士:チャールズ・カーク
 データオペレーター:ハンナ・キャロン

 まあそもそも、かつてウォルターが所属していた太平洋方面「509混成航空部隊」自体がエノラ・ゲイの所属でしたけどね。ここまで徹底して近似させるとは思いもしませんでしたが。


 ファフナーではこれまで戦争の様相として、1期では日本の専守防衛と非戦主義、そしてHAEでは原爆とベトナム戦争が織り込まれていました。

 EXODUSでは今のところ直接言及はされていないものの、原発事故と原子力技術や核廃棄物、そして上記の例からHAEと同様に原爆。
 そして現在も中東を混乱に陥れている、分裂したイスラム諸勢力による泥沼戦争というところでしょうか。

 HAEの続編であるEXODUSなので、再び原爆のイメージが作品に出てきたのは当然かもしれませんが、EXODUSではさらに脚本に入る前に福島第一原発での3基メルトダウンという未曽有の大惨事がありましたからね。

 やはり「日本人と核」というテーマは、切っても切り離せないものなのだろうなと思います。

 

 ちなみに私はEXODUSで描かれた核関連のメタファーをざっくり見て、暴走しないニヒトにより「人は原子力技術を理性的に駆使すれば原発をコントロールできる」、ただし核のもつ本来的な制御不能の巨大なエネルギーの象徴であるアルタイルを人類に有益なものに変化させるのは不可能、よって「封印して未来を待つしかない」、というように受け取っていました。

 石棺から発進したニヒトが赤い森を通りオンカロをくぐり抜けて行き着くところは、もう放射性廃棄物最終処分場しかないですものね。(つまりニヒトも眠る)

 とまあ、このような解釈に辿り着いたのは25話が終わった後だったので、最終回で島ごとアルタイルが封印されるのも「これしかないな」と思いながら見ていたのでした。

 良くも悪くも、今は未来に投げっぱなしジャーマンなのが核技術とその廃棄物、そして人類の技術の進歩と精神の成熟なのでしょう。


 話がえらい着地点に来てしまいました。(^^;)

 当然のことながら、ここで書いたのはあくまでファフナーという多角的な作品の一面を私が個人的に思考したにすぎないものであり、こんな風に見てる人がいたんだと受け取って頂ければ幸いです。

 あのCDドラマを聞いた感想がこれになるのは本当に私くらいのものでしょうし。(苦笑)

 EXODUSでの核関連については書きたかったけどなかなかまとまらなかったので、ちょうどいい機会でした。


 今までのドラマCD特に「GONE/ARRIVE」との関連を踏まえた感想とか、キャラクター個人の心理の掘り下げとか、もっと普通の話(笑)も書きたかったですが、とりあえず今回は時間も無いのでこの辺で。



2016.05.03 / コメント: 0 / トラックバック: 0 / PageTop↑
BD10巻特典座談会CD パーソナリティ:angela ゲスト:冲方丁
カテゴリ: 蒼穹のファフナー
 EXODUS放映後に初めて冲方さんのコメントが聴けるということで、発売日の真夜中に貴重な睡眠時間を削って聞きました。(笑)

 購入したBDは2クールめに入ってから時間が無さ過ぎて、

 7巻→先行予約ハガキ取るために開封しただけ
 8巻→開封もしてない
 9巻→Amazonの配送袋に入ったまま

 という悲惨な状態が続いていたので、せめて10巻だけはと。(^^;)

 お話の内容はすでに知ってたことやまだ知らなかったこと、興味深いことがいくつかありましたので、その中でも私的に関心があった部分だけピックアップして感想など述べてみます。


 まずはEXODUSで増えた新キャラクターと彼ら(声優含む)の作品への入り方について、

 冲方「僕の内心では既存のキャラを食うつもりでやってほしいなと。隠れテーマは<世代交代>なので。あまり前面に出すと(略)「あ、俺、将来交代するんだ」っていう芝居が始まってしまうので。それは黙っとこうね、と言われてたんですけどね」
 KATSU「9話10話であの二人美味しいところもっていきましたけどね」

 EXODUSの表テーマは能戸総監督がアニメ誌で語っていたように「相互理解」だとも言及されましたが、裏テーマは「世代交代」だと断言したのはこれが初めてですね。

 「世代交代」と来ましたか……。
 それは受け継ぐことそのものがメインの「継承」とは若干ニュアンスが異なりますね。

 いや、もちろん前世代からの価値観や物質的精神的な遺産を受け継ぎながらの交代なのでしょうけど、要は作品の表舞台で活躍するキャラクターを次世代に入れ替える、ということが「世代交代」の目的ですよね。

 確かに26話エンディングで残ったパイロットを見ると、剣司と咲良(夫婦)、里奈と彗(カップル)、零央と美三香(カップル)という、非常に分かり易く次世代を担うキャラクターばかりでしたね。

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 そうか……だから片想い代表のカノンや暉は死んでしまったのか……。(←チガウ)

 裏テーマが「世代交代」で、しかもそれを演技に出ないように黙っていたということで、先日ツイッターで一部炎上(?)した三間音響監督の呟き(EXODUSの真の主役は第三世代)も、最初からスタッフ内で認識が一致していたということですね。

 とは言えあの不評の主因はそこではなく、おもに三間さんのツイートに石井さんへのリスペクトが足りないことに尽きるんですけど。(^^;)

 それと「世代交代」を描くなら、思い切って派遣部隊の描写を大幅に削ってでも、竜宮島に残った彗たち第三世代を中心にもっとキャラクター個々のドラマを描いていた方が誤解は少なくてすんだはずだと思います。

 裏テーマを黙っていたことで、

 声優の演技に世代交代の意図が滲み出なかった → 視聴者にも当然ニュアンスは伝わってこない
 
 という、結果としてある種の悪循環(苦笑)になっていたわけですしね。これで「継承」だけでなく明確に「交代」であることを「察しろ」というのは難しいのではないかと。
 
 まあ、私はファフナーが群像劇であっても一騎と総士をガチ主軸として見てますので、そんな意図があろうがなかろうが全然屁のカッパですけどね!(笑)

 竜宮島と派遣部隊の描写割合がほぼ半々だったのは、作品内世界を広げる意図とあまりに竜宮島中心にドラマを描くと、最終的に島が沈むことで受けるファンのダメージが計り知れない、と考慮したのかもしれませんけどね。
 
 私は島が沈むのも想定内でしたが、ショックを受けてるファンの方は多いですものね……。


 続いては、一騎と真矢だけでなく視聴者も混乱(笑)に陥れた総士の「存在と無の地平線」の説明について、

 冲方「英雄っていうのは異世界に行って<世界の智慧>そのものを手に入れるんですけど、その<本当の真実>っていうのは現実世界では言葉にならないものなんです。(略)総士はそのフェストゥムの世界に行って、彼らに触れたけれども、彼らのことをどう一騎たちに説明していいかは結局わからない」

 うーん、なるほど……。究極の「真理」というものは人間の言葉では言い表せない、というのは確かにあるかもしれませんね。
 人の言語はそこまで完全ではありませんしね。

 ただ、言葉で伝える以外に術を持たない人間である私としては、だったら絵画でも音楽でも数式でも他に伝える手段は何かないのかと考えてしまいますね。
 総士のポエムとかポエムとかポエムとか。(大事なことなので三度言う)


 冲方「分からないからまだ争いが起こってる。総士のもどかしさと、総士自身の使命みたいなものと、あと、それはあの……一騎がより総士の側に行き、真矢がより人間の側に行く、っていうあの三者の関係もあそこで同時に表わしているので、分からなくていいんですよ」
 
 総士と一騎の話のつなぎがちょっと不明瞭ですけど、言いたいことは分かるのでそこは置いといて。
 
 あのシーンで、一騎がより総士の側に行き、真矢がより人間の側に行くことを表していると言われて、非常に得心がいった部分があります。

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 放送当時、三人でいたのに一騎はどちらかというと真矢より総士と話したり彼の方をよく見ていた、という意見を見かけて私も実際そう感じていました。

 一騎は総士の説明を「全然」と言って理解できなかったけど、それは決して総士の説明を聞き流したり投げたりしてたわけではなくて、むしろ逆に総士が誰にも説明できないことを経験して知っている、ということに引っ掛かりを覚えていたんでしょうね。
 
 それを無意識でずっと考えていたからこそ、18話アバンの夢の中で「誰かがいなくなるたび、そいつがいた証拠が世界のどこかに残るっていうのか?」と言えたんだと思います。

 そして「分からなくていい」ということはつまり、総士の見たもの知ったことを知りたがる一騎にとっては最大のフックになったわけで、このあと総士が「彼らの世界に触れるには、彼ら自身に触れるしかない、ということだ」と言ったことに「それが俺の命の使い道なら、そうする」と答え、ダメ押しが24話でミールが伝えた「皆城総士が存在と無の調和を選んだように」というセリフであったわけですね……。

 これだけ地道にフラグを積んでれば、そりゃあ一騎も人として命を終えるよりミールに命をもらってでも生きますわな。
 いや~、じつに嫌な脚本ですね!(褒めてます)

 一騎がより総士の側に行く……これまで総士は「非日常」の象徴であり真矢は「日常」の象徴でしたが、一騎は「どうしても非日常向きの人」だと、以前から冲方さんは仰ってましたね。(BDブックレットP137)

 そんな一騎が1期からEXODUSまでずっと、真矢より総士に惹かれ続けるのは当然であり必然であったと思います。
 とはいえ、EXODUSでは戦闘機部隊に所属し人を殺めた真矢の存在も「日常」とは言い難い状況ですが。(^^;)

 むしろ総士を「フェストゥム」、真矢を「人間」に置き換えて考えた方がより合うのかもしれませんね。
 最終的には「非日常向きな人」である一騎もフェストゥムと融合してしまいましたので。
 
 しかし、この語りを踏まえてあの場面をもう一度見直すと、「一騎くんも皆城くんも、帰る場所があるんだよ」という真矢のセリフが、より痛切に響いて聴こえそうですね……。(放送終了後まだ見直してませんけど)

 真矢はもしかしたら、この時点でもう二人がどこかへ行ってしまいそうな予感を抱いてたのかもしれませんね。
 最後には総士はいなくなり、一騎は人間ではなくなってしまったという……。


 そして私にとって最も興味深かったのが、続編があるとしたらの妄想話について、
  
 冲方「ざっくり全部妄想だけで言うと、ファフナーの新主人公がいるとしたら、一騎を倒さなきゃいけない」
 KATSU「一騎も英雄に君臨しすぎちゃってますからね、もう」
 冲方「てゆうか、あれはもう英雄として循環したんですよね。無の世界から総士のように戻って来て、あれはもう究極の真実に触れてるわけですから。若干まあ人間の心を保つ、ということで現世に留まってますけど。あのまま行くともう<賢人>として、まあいわゆる<賢者>ですね。世の争いには何かしら理由があるんだよ、というレベルまで行っちゃわないとおかしいわけですよ。でもそういう<見守るもの>の殻を破るのが次世代なので、敵対するというわけじゃないけど、それまでの<英雄像>を、なんらかの形で上回っていかないといけない物語になるんじゃないかなあ、と思いますね」

 なるほど賢者。(笑)

 あの一騎が「賢者」ですか……とうとうそんな存在にまで行き着いてしまうんですね。

 まあでも、26話エンディングで一騎と操それに甲洋が、子総士の生誕に立ち会うにしてもなぜ「東方三博士」に擬されていたのか。

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 先に説明しておくと「東方三博士」は「三賢人」「三賢者」という別名があるのです。私は語呂が良い(笑)ので「三博士」を好んで使ってますけど。

 そんな「三賢者」に一騎たちが割り当てられたのは、まだ若すぎるし少々力不足ではないかと思ってましたけど、彼ら三人はフェストゥムとフェストゥムになった人間であり、冲方さんの言う「世界の真実」に触れた存在、という意味も示していたんですね。

 見た目の若さは関係ないんですね、おみそれしました!(^o^)\ペシッ

 何度も触れているユング心理学で考えますと、一騎の到達するとされる「賢者」とはすなわち元型で言う老賢人「オールド・ワイズマン」であり、それが示すものは男性にとっての「成長の最終到達点」であり「父親」でもあり、「知恵と理性の表れ」でもあるわけで、心理学面から見ても「大人になった」「父親(代わり)になった」「世界の真実を知った」一騎が到達するイメージとして相応であると考えられます。

 ゆえに、その一騎が新主人公に「倒される」と冲方さんが語るのも、全く正しい有り様であると言えるかと思われます。

 「オールド・ワイズマン」の否定的な側面(支配する、導く、試練を与える)は人が「成長過程で乗り越えるべき象徴」であるからして、たとえ一騎の「見守り」がどんなに見かけ上は優しいものであったとしても、その「殻」を壊されて次世代に(象徴的に)倒されることもまた是であり不可避なのだと思います。

 しかし、ここは「真壁一騎」なんだから壊すならぜひとも「壁」にして欲しかったんですけど「壁を壊す」――進撃の巨人か!ビシッ、ってなっちゃいそうですね。(^^;)
 何しろEXODUSにはエレンとミカサ(の中の人)がいましたし。

 馬鹿なことはおいといて、もしかすると象徴的にではなく本当に物理的に世界の秩序と生命力更新のための「王殺し」的な「倒される」という意味合いもあるかもしれませんが、それはキャンベル氏じゃなくてフレイザー氏の「金枝篇」なのでファフナーでは無いかな……いやあるかな……。
 
 まあ、ようは超絶シンプルに言えば、一騎が「新主人公にとって超克すべき偉大な男性像になる」ということですね。

 一騎がめでたく新世代に「倒された」としても、その時までに彼の祝福が終わってなければ当然死んだりはしませんから、その場合は神話や伝説にあるように世界の表舞台から姿を消す「隠者」になるしかないと思いますけど。

 私としては早く使命を終わらせて、総士と再会してほしいところですけどね……。


 冲方「どれだけ立派な木も、やっぱりいつか倒れざるをえない。そのあと芽吹かないと、更地になってしまう。そこは新世代の義務でもあるんですよね」

 そう言ってもらえると、思ったより早く一騎はお役御免になれそうな気がしないでもないですね。
 そして巨樹が倒れて新たな芽吹きの喩え……うーん、やっぱりイメージとしては「王殺し」に近いような。

 今の一騎は、言うなれば英雄たちの「王」のようなものですしね。

 そういえばバーンズを籠絡した「世界の王」というフレーズ、あれはイエス・キリストに対する尊称の1つなんですよね。分かる人はすぐ分かったと思いますけど。

 言い換えれば「世界の救世主にしてあげる」、と甘~くバーンズを誘ってたわけなので、「王様? ププッ」とか笑わないであげて下さい。(^^;)

 でもバーンズが想像した「王」は、たぶんに俗物的な王様のイメージだった可能性が高い気もしますが。(苦笑)

 話を戻すと、冲方さんの続編妄想を聴く限りでは、一騎は英雄と戦士を兼ねた賢者に行き着くようなので、そうなると某掲示板やツイッターでいつのまにか生まれ変わった一騎の共通解であるところの「永遠の戦士」という存在とは微妙に異なるような印象を個人的に受けました。

 ナレインが語ったアショーカによる「命の果てを超えて生きる永遠の戦士」と、竜宮島ミールが与えた「生と死の循環を超える命をもって世界を祝福する者」は、同じものではないような気も……しないでも……ないでも……。

 
 他にもいろいろ考えさせられましたが、時間もないのでこの辺で。

 この座談会のおかげでまた少し、EXODUSに関する理解が深められた気がします。

 聞いてて実感するのは、冲方さんは物語を描くに際して忠実に「ヒーローズ・ジャーニー(英雄の旅)」をなぞっている、ということですね。冲方さんに限らず世の多くの作家の基礎であるかと思いますが……。
 
 たとえば一騎を当て嵌めていくと、

 1.Calling(天命)―織姫からの使命
 2.Commitment(旅の始まり)―シュリーナガルからの脱出行
 3.Threshold(境界線)―総士と真矢との地平線談義
 4.Guardians(メンター・仲間)―ペルセウス中隊(派遣部隊)
 5.Demon(悪魔)―アザゼル型(アビエイター)
 6.Transformation(変容)―生と死の循環を超える命
 7.Complete the task(試練完了)―第四次蒼穹作戦終了
 8.Return home(帰還)―竜宮島から海神島へ移住

 このような形になるかと思います。
 ただ、これは終わったからこそ綺麗に嵌るわけで、物語が動いていた放送中はどう転ぶかまるで分かりませんでしたね。(苦笑)

 
 ちなみに私がファフナーの解釈にユング心理学を多用するのは、冲方さんの師のようなものであるキャンベル氏の神話学の基礎にユング心理学があるからです。

 キャンベル氏は心理学の段階から、さらに世界の「神話」と「物語」の知識と構造を理解し深めて、神話学に発展されておられるわけですが。

 なので、ファフナーを冲方さんのバイブル「神話の力」よりもさらに基礎的なユング心理学で読み解いても、さほど的外れにはなってないだろうなと思っています。

 とは言え、ユング心理学と言っても私の浅学な我流の解釈にすぎませんが。(苦笑)

 冲方さんもatsukoさんも仰ってましたが、ファフナーはたくさんの人が様々な解釈が出来る作品なので、本当に面白いですね。

 それにしても一騎が「賢者」……一騎が賢者にねえ……賢者……私としては全面同意だし大歓迎ですよ……。



 当記事内のアニメ画像は全て、
 ©MBS・FAFNER EXODUS PROJECT・XEBEC及び©King Record.Co.,Ltdに帰属します。

2016.03.29 / コメント: 0 / トラックバック: 0 / PageTop↑
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カテゴリ: 蒼穹のファフナー
 ばんぶー様

 お問い合わせに取り急ぎお答えします。

 皆城家のモデルですが、あの記事の後で入手した情報によりますと、特定のモデルは尾道にも鞆の浦にも無い、とのことでした。

 写真の洋館の場所は、確か土堂小学校横から細い脇道を進んだあたりだったと思いますが……。

 なにしろもう尾道には何度も行ってるので地図を見ないで歩くことが多く、いざ地図で場所を示そうとしても正確な位置が思い出せません。(>_<)

 尾道の坂には洋風の家が何軒かありますので、歩きながらそれらしい洋館を見つけて頂ければと……。

 大したお力になれず申し訳ありません。m(_ _)m

2016.01.11 / コメント: 0 / トラックバック: 0 / PageTop↑
蒼穹のファフナーEXODUS 第26話「竜宮島」
カテゴリ: 蒼穹のファフナー
 私にとってファフナーという作品はもう自然体なのです。

 だから最終回の感想が一週間過ぎようが年を越そうが、もはやナチュラルなのです。(言い訳)





 11年間の集大成にふさわしい最終回でした。
 
 「一騎と総士の物語」として、そして「皆城総士の人生完結」の物語として、これ以上はないであろう未来に辿り着けたことに感謝しています。

 また、ファフナーという「作品」としても、ここで終わってしかるべきトゥルーエンドであったと思います。

 「商品」としてはどうかと思いますけどね。(^^;)


 【キース】

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 この、ジーベンが機体ごとキースを跳ね飛ばすシーンが個人的に大好きです。動きがまた繊細で良い。
 こうすればキースを死なせると理解しつつも、真矢は合理的な即断でこの行動に出たんでしょうね。

 キースは「狡いやつが生き残るのさ」と言ってたように、本当は死にたいわけではなかったので、ジーベンに組み付いてフェンリルを起動した後の笑顔が少し引き攣ってるんですよね。

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 ジーベンに跳ね飛ばされたと分かった時も、一瞬諦めたような表情を見せてから、この不敵な笑み。

 「死神」のはずの真矢が人を殺さないように戦っていたのを見て、なんとしても殺してやりたかったんでしょうね。

 結果として、殺せなかったけど逆に自分を真矢に「殺させた」ことは、キースにとっては勝利であり最高に気分が良かったのではないかと思います。

 
 【ビリー】

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 「兄さんは正しい人だった。アイもミツヒロも……なのに、何が正しいか分からない!」

 12月11日に冲方さんが24話の放送前に呟いたファフナー四方山話、

 「5人の命を助けるために1人を犠牲にするのは正しいのか。(後略)」
 「正義は生命の価値を決められるのか。(後略)」

 これはハーバード大学、マイケル・サンデル教授の「白熱授業」第1回のテーマ「殺人に正義はあるか」という有名な問いなんですよね。
 
 「ダ・ヴィンチ」のインタビューでも冲方さんは「トクベツな三冊」にサンデル教授の「これからの正義の話をしよう」を挙げていました。
 >http://ddnavi.com/feature/96761/a/

 納涼会イベントの打ち合わせ記録によると、2013年がEXODUS執筆のピークだったようなので、この本(または番組)を読み込んでから最終回までの脚本が書き上げられたものと思われます。
 
 EXODUSで今までになく「正義」や「正しさ」が問われているのも、この影響があるんでしょうね。

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 サンデル教授の教室は1つの答えを決めるものではなくて、EXODUSでも描かれたように「正しさ」は人の意見や主張があればあるだけ存在するわけで。

 どんな屁理屈でも不条理でも良かったのに、ビリーは最後まで自分自身で考える「正しさ」を持つことが出来なかった。
 それが彼の悲劇だったように思えます。

 ちなみに、ここでビリーが殺されなかった場合、撃ったか撃たないか、という議論を見かけましたが。
 私は普通に撃ったと思います。

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 25話で史彦が「君たちに、人を撃てと命じることはない」と言いましたが、

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 それは親世代の大人が最後にトリガーを引く覚悟を持っていたからなんですね。

 人類軍との対話に成功した史彦と対照的に、真矢を守るためにビリーを撃った溝口。
 1期でも、史彦の汚れ役は溝口が自ら引き受けていました。
 
 大人になるための「通過儀礼」としての人殺しはやめてほしい、と以前書いていたんですが、竜宮島は(全員ではないけど)人を撃ったことがある親たちによって支えられているのは事実でした。
 
 最後は父親代わりの溝口に守られたとはいえ、真矢はもう他の子供たちと同じ立場ではなく人を殺した親の側にいるという意味で、本当の「大人」になったんだなと感じました。

 総士生誕祭で喜安さんが「ゴルゴを守るのはゴルゴ」と言ってましたが、真矢と溝口は疑似親子でありながら師弟であり対等なスナイパーでもあるというじつに多重な関係であり、距離感がとても理想的ですね。

 恋愛や結婚相手にはまったく向いてないと思いますけど。(^^;)


 【真矢】

 人類軍との対ファフナー戦を真矢が一人で受け持ったのはなぜかと考えましたが、やはり本人の希望(誰にも人を撃たせたくない)と史彦の判断による配置だったのかと思います。

 ジーベンは超長距離射撃が可能で容易に接近戦には陥らない、そして人を撃った経験のある真矢なら狙いを外した上で迷わず撃てると信頼されたのかもしれません。

 さすがに史彦も、キースやビリーのような真矢に個人的な怨恨を抱く復讐者が2人同時に自爆戦術を取ってくるとは想定外だったんでしょう。
 それでも真矢は冷静に対応できてましたが。

 総士生誕祭で26話の真矢のアフレコについて、松本さんがビリーが撃たれた時に最初は泣きながら演じた、でも三間監督に「真矢はビリーが撃たれることも受け入れていた」と指導されて、松本さんの想像よりも真矢は成長していたんだ、というお話をされていました。

 でも、受け入れたからと言って平気なわけではないんですよね。

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 「みんなを守ってくれて、ありがとう」

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 大切な人を守るという選択の果てにもっとも過酷な道を歩んできた真矢が、その手を血で汚しても守りたかった相手から感謝の言葉を伝えられてようやく、心からの涙を流せたことがせめてもの救いでした。

 1期終了後のメモリアルブックで「一騎と真矢は生きたくなくても生きなきゃダメだろう」と冲方さんは仰ってましたが、EXODUSでは異なる意味で、さらに苦難の経験を経た上で、これからも真矢は生きなければなりませんね……。
 

 【芹と織姫】

 芹は織姫を守るためにアルタイルに戦いを挑んで傷つき、そのまま島と眠りを共にするという結末を迎えました。

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 5話の感想で「芹と乙姫と広登の関係は、一騎と総士と真矢の関係に近い部分がある」と書いてましたが、乙姫の代わりに織姫が入ったEXODUSの最後に、地平線にあたる広登を失った芹が織姫を選んで長い眠りについたのは、一騎が総士との別れを受け入れたことと対照的でしたね。 

 一騎と総士の最後の時間に地平線である真矢が関わらなかったように、広登がいても芹はたぶん同じ選択をしたと思いますが。

 芹と織姫の結末は、これはこれとして1つの答えなんでしょうね。

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 次に芹が目覚める時、すでに織姫はこの世から去り、岩戸では新たなコアが育くまれているはずです。
 「また会おうね、芹ちゃん」という織姫の約束は、きっとそのコアが岩戸の外に出て人生を始める時に果たされるんでしょうね。
 
 いつか芹も存在と無の地平線に行けたなら、そこで乙姫や織姫と再会できるのだと信じたいです。
 
 
 【楽園喪失】

 25話の感想で、地球滅亡や竜宮島沈没も想定していたけどもう大丈夫だよね、と肩の力を抜いたらこれですよ……。

 島が沈没したからこそ地球滅亡は回避されたのでしょうから、この結末が織姫の言うように「いちばん希望に満ちた未来」だったのかもしれませんね。
 
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 波にすべてが呑まれてゆくその姿は、いつかどこかで見た光景でした。
  
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 「理解しあうための場所」とされた竜宮島が沈んだことは、島が所有していた人とフェストゥムの共存の情報を公開したことで役割を一時的に終えたことと、作中世界での相互理解がいかに困難であるかの象徴であったように思われます。

 対話の手段は限られ、コミュニティは対立したまま、相互理解が大きく進んだわけでもない。
 現実世界を反映しているファフナー世界がこの終わりを迎えたのも、無理からぬことなのかもしれませんね。


 【一騎と総士】

 EXODUSが始まって間もなくの月刊少年シリウスで、中西Pが「自分にとってファフナーは皆城兄妹の物語なんです」と語っていたインタビューを事前に読んでいた方なら、このエンディングが決して投げっぱなしジャーマンというわけではない、と理解して頂けたかと思います。(え? 無理? 苦笑)

 妹の乙姫が既にいないEXODUSでは、残った兄の皆城総士がほぼ毎回キャストのトップに来るのも、物語の中心になったのも、既定路線といえばその通りだったのでした。

 とはいえ、私はあくまで主人公は一騎だと思っておりますが。

 「ファフナーに乗ってみんなと一緒に戦いたい」という総士の願いは、5年半の時を経て海神島でようやく叶いましたね。
 
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 もともと総士はマークアインが乗機となるはずでしたし、美しい外見にそぐわず(笑)接近戦で敵と格闘する前線向きなタイプだったわけで、ニヒトでは長くザインのサポート主体であったものの、結局最後の第四次蒼穹作戦では素手で敵のコアを2回も抉るという快挙達成。(^^;)

 そして、竜宮島の沈没と岩戸へ還る織姫という未来までも、8話の約束通り共に見届けることができました。

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 まさか総士が人として命を終えられるとは思いませんでした。(←最後まで疑ってた人)
 
 本当は、総士は帰ってくるはずのない人だったんですよね。普通の作品なら。

 死んだ人間が生きて帰って来るのは、ファフナーという「嬉しくて悲しいおとぎ話」で、本来あってはならないことでした。

 じつは総士はフェストゥムの世界である「無」にはまだ行っておらず、その入り口である「存在と無の地平線」に留まり「調和」によって肉体を得て戻ってきただけなので正確に言えばセーフなのですが、一度いなくなったことには変わりがないわけで。

 だからこうして二度目の、本当の別れを迎えなければならなかった。

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 一騎と総士が互いに微笑んで別れを受け入れる。

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 最終的には、そのためにこのEXODUSはあったと言っても過言ではないのかもしれません。

 とはいえ、「無と存在の調和」の証として総士はしっかり赤ちゃんを残したんですけどね。(^^;)


 ミールの樹というクリスマスツリーと、アルタイルというベツレヘムの星のもと。
 
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 東方三博士に擬される男たちが立ち会ったのは、救いの御子の誕生。
 公現祭には早すぎますが作中が超スピード展開だったのでそこは気にしない。(苦笑)

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 作中の日付を12月25日にしなかったのは、制作側のなけなしの理性だったのだと好意的に解釈します。(^^;)
 しかしこの最終回がクリスマスの夜に放送されたことを私は決して忘れません。

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 結局最後まで、冲方さんにとって総士は「父」でキリスト像だったんだなあと……。
 だからこうして最終的には「子」になったんでしょうね。見事としか言いようのない帰結です。
 
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 ご子息二人を抱えていた羽原監督と、1期から11年を経て父となり息子を授かった冲方さんの、これが辿り着いた光景だと思うと、その美しい結末に感慨を通り越してもはや言葉はいりません。

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 一騎と総士の道は1つで同じものではなく、「互いの祝福の彼方」という未来へ向かって、隣を一緒に歩んで行く2つの道。

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 エンドカードで、これまでずっと一部が欠けていた「EXODUS」のロゴが繋がり完全な形になっているんですよね。

 それはたぶんこのEXODUS世界が「終わった」わけでも「完結した」わけでも無く、「調和した」という意味だったのかもしれませんね。


 本当に素晴らしい物語を見せて頂きました。

 私としてはこれで終わってくれて全然構わないのですが、多くの人はやはり作品世界の終わらなかった出来事や解決しなかった問題が残ることに燻っているようです。(^^;)

 私がこんなに深い充足感を得ているのは、制作スタッフが作りたかったものと私が見たかったものが偶然ほぼ一致していたからでしょうしね。

 思い残すことがあるとすればニヒトの暴走とレゾンの変形でしたが、今となってはもう些細なことです。
 特にニヒトは「石棺」に入っていた時点で、すでにして暴走は終わっていたんですよね。
 諦めきれなかった私の未練でした……。


 3期があれば今度は一騎が命の使い道を知ってこの世から去るんじゃないかと思います。

 一騎の命はミールによる祝福であり敵に調和を阻害されれば命が消えかねない、と26話で判明しましたし。

 とは言っても、世界の傷をふさいで調和させる祝福を果たさなければならないので、命が消えかけてもすぐにミールが守護するか新たな命を与えてそう簡単にはいなくならないはずですが。


 私としてはもし3期を作らざるをえないなら、百年後くらいに飛んでくれた方がいいなと思います。
 
 現実的には、美羽が成長すればアルタイルと対話出来るはずなので、十年後くらいが妥当かなとも考えていますけど。
 
 まずは続編より、EXODUSのエピソードや設定の補完をお願いしたいところです。


 新作発表から4年半、EXODUS制作に携わったすべてのスタッフに、心から感謝の意を伝えたいと思います。

 心と記憶に残る作品をありがとうございました。



当記事内の画像は全て、
 ©MBS・FAFNER EXODUS PROJECT・XEBEC及び©King Record.Co.,Ltdに帰属します。

2016.01.02 / コメント: 2 / トラックバック: 0 / PageTop↑
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